旅が伝えようとしてること


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旅をするようになったのは10代の後半だった。

何も考えずただ知らない景色をひたすら走りたい、そんな気持ちでバイクに乗ったのがきっかけだった。

それから小型のバイクで日本一周、初海外でバックパックを背負って世界一周をした。

旅は知的満足感を与えてくれる。

知的満足感とは、日々の生活の中で知らないことを知ったり、見たことないものを見たりした時に得られる幸福感というものだ。

おれはそんな幸福感を得るために旅をしていた気がする。

旅をするようになってから日々の生活の中で通り過ぎて行く人達を見て、いつも疑問を感じていた。

なぜこんなにも人がいるというのに、関わる人が少ないのか。


おれが以前読んだ(星野道夫)の旅をする木という本の文章にこんな言葉が書いてあった。


説明

(星野 道夫は、写真家、探検家、詩人。千葉県市川市出身。 ウィキペディア)

「人生はからくりに満ちている。日々の暮らしの中で、無数の人々とすれ違いながら、私たちは出会うことがない。その根源的な悲しみは、言いかえれば、人と人が出会う限りない不思議さに通じている。」


自分と似たことを考える人がいたことが嬉しかった。


もし今いる場所がウユニだったら、サハラだったら、ナガルコットだったら...おれたちは通り過ぎるだけで終わってしまうのだろうか。

いや違うだろう、きっと出会うことになるはずだ。

そして運命と喜んでいるかもしれない。

大人になると人はひととの関わりを損得でしか考えられなくなってしまうのか。


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一昨年に見た広大なサハラ砂漠の上に広がった夜空はとても美しかった。まるで降ってくるほどの星たちだった。

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サハラの空を今、東京の大都会で見ることができたら、きっと時間に余裕がない人でも一度は空を見上げるだろう。そして、その感動を共感できる人を探すはずだ。きっとそれだけで出会いが生まれる。



そして気づくはずだ

おれたちが必死に探している幸せとはなんなのか


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おれはこれからも旅が伝えようとしてることを探しにまた旅をする。


きっと死ぬまで